2012-06-21
2012-06-21
Tag: 債務整理
破産をするということ
破産をする、人生の終わり、多くの方がそのように考えています。
破産をすると、その後の人生で数々の制約を受ける、と誤解をしている人も多数います。
確かに、借金が返済できなくなって破産をする、というのは、不幸な出来事です。他人にも迷惑をかけます。できればそうならずになんとかしたい、というのは正しい考え方だとは思います。
それでも、不可能なことをどうにかしようと、何年もあがいているのもまた不幸なことです。
借金の返済が困難になったという相談を受けると、もう何年も前から返済をすることは不可能であったのに、なんとかしようとどうにもならない状態を続けている人がいます。というか、そういう人がほとんどです。
収入が手取で20万円位、借入総額が200万円以上あったらどうなるでしょうか。かつては、30%近くの利息が取られていました。そうすると、利息の支払いだけで、年間約60万円、毎月5万円ということになります。毎月5万円返済を続けると、それは利息のみの支払いであり、元金は減らず、それは一生続くことになるのです。
かつては、このような状況の方からの相談がたくさんありました。
今は、上限利率が引き下げられ、借入総額の総量規制も規定されたため、年収300万円以下の人が、200万円の借入れをするということはできなくなりました。このため、このような状態は今後は起こらないはずです。しかしながら、経済環境はさらに悪化し、働いても10数万円しかもらえず、生活するのにぎりぎりの収入しかないのに、借金をしてしまったということが起こっています。借金をすると、必ず利息が発生し、それまでも生活が厳しかったのに、その返済は困難であり、延々と利息の返済のみをするという状況が起こります。
破産法は、このような状況に陥った人を救済してくれるための法律であり、人生の落伍者であるレッテルを貼り、破産をしたペナルティとしてその後の人生に制約をするためのものではありません。
借金をしてしまい、返済が困難だと思ったら、できるだけ早い時期にしかるべきところで相談するのが肝要です。それにより、すでに返済するのが不可能になっているのに、人生の無駄な時間を過ごすのではなく、新たな人生のやり直しをすることができます。
ただ、現実にはその見極めが難しく、あまり安易にもう返済ができないというと、なに甘えたことをいっているんだといわれてしまいそうなところが問題なのですが。
私は、比較的寛容に対応をし、本人とともに、どうすべきかを考えていくようにしています。